2.学園都市

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何時の間にこんなに体格差が出てしまったのか…弥羅の背は俺よりも高くなっていた。 一緒に遊んでいたあの頃はそう変わらなかったのに…。 強く抱き締められて恥ずかしいし、少し苦しいくらいだったが、久々に見知った顔を見れたせいか俺は凄く安心してしまい言葉が出せなかった。 「あの日、いつものように施設に行ったらお前居ないし、どこ行ったのかって施設の人間に聞いても曖昧な返事しかしねーし、調べてみたら、別の施設からも何人か連れてかれてるのが分かって…何とか、この学園都市を突き止めた。」 俺が研究所に連れてこられたのはかれこれ5年も前の話だ。 まさかその時からずっと探してくれていたのか…? 「でも研究所には関係者しか入れねえし…仕方なく俺はこの都市に住み着いて、様子を伺ってた。」 「ありがとう…ごめんな…。」 「バーカ、謝んなよ。」 弥羅はガシガシと俺の頭を撫でた。 「ちょ、やめろよ!ボサボサになる!」 「変わんねーよ。元々ボサボサだろ。」 「言ったな…!?人が癖っ毛気にしてんの分かって言ってんな!?」 「あはは、こんだけ元気なら問題ないな。研究所に連れてかれたっつーから、どんな実験されてんのかってすげえ心配してたんだぞ。」 素直に弥羅の優しさが嬉しかった。 弥羅が昔と全く変わらないから、なんか昔に戻ったようで、涙が出そうになった。 「あれ…」 「ん?どうした?」 俺はキョロキョロと辺りを見回した。 弥羅が来たことですっかり忘れてたけど… フォルテ、どこに行ったんだろう…。 「とりあえず、俺の住んでるアパートに来いよ。着替えもあるし。」 「アパート…?でも……」 弥羅に腕を引かれたが、俺はその場から動けなかった。 「俺、逃げて来たんだぜ?研究所から…。追われてる身なんだ。」 「だから?」 「俺がいるとお前に迷惑がかかる。お前を巻き込みたくない。簡単に道の案内だけしてくれればいいから…あとは、逃げてくれ。」
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