2.学園都市

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「お前は馬鹿か!俺が何のためにここで5年も待ってたのか、分かんねえのか?!」 「弥羅…?」 半ば怒鳴りつけるように言う弥羅の声にたじろいだ。 「俺はお前と帰るんだ!中央に!中央関東に!そのためにここにいるんだ!迷惑なんて今更気にする事でもねえんだよ!」 どうしていいのか分からなかった。 怒鳴りつける幼馴染の目は涙で潤んでいた。 「お前だってここまで頑張って逃げて来たんだろ…?こんなチャンス、逃したら次なんて無い…。」 「……でも、俺…自分のせいでお前を酷い目にあわせたくないんだ…。お前、いい奴だから…。」 さっきの銃声が再び脳裏に蘇った。 俺と一緒にいたら、弥羅まで死んでしまうのではないか…。 自分のせいでこれ以上人が死ぬのなんて耐えられない。 さっきの研究員の事が、よほどトラウマになってしまっている。 「今お前を助けない方が俺は後悔する。最初から簡単に済む事だとは思ってない。死ぬ覚悟でここに来た。これは俺の意志だ。だから、お前のせいじゃない。」 「……」 いいのだろうか… 本当に、これで…。 「だから、行くぞ。」 差し出して来た逞しい手があまりに心強いから… 俺はその手に、甘えてしまった。
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