3.アパート

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「ちょっとデカイかな…」 「大丈夫、このくらいなら…」 結局、俺は弥羅のアパートに転がり込んだ。 トレーナーとジーンズを借りて着がえる。 ちょっとでかいけどこの位なら平気だ。 「なんか不思議だな。」 「何が?」 「お前が俺の服着てるんだもん。なんか可愛いな、あははっ!」 「か、可愛いって何だよ!!」 「いってぇ…、くっ、あははっ!」 腹が立ったから笑う弥羅の頭を叩いてやれば頭をおさえて痛がりながらもまだ笑う。 何がそんなにおかしいんだよ…。 少しイライラしながらベッドにボスッと腰を下ろす。 ベッドがふわりと少し沈み込む。研究所にはこんなにふかふかなベッドは無かったな。 「お前が何の研究に使われてたのかは知らないけど、実験体にされてたからきっと身長が伸びなかったんだろうな…。」 「………」 弥羅が俺の隣に腰を下ろし俺の頭を撫でる。 さっきとは違って、優しく。 「…男に撫でられても別に嬉しくも何ともねーな。」 「悪かったな男で。ったく、可愛くねえの。」 そう言いつつも弥羅の手は止まらなかった。 あんな悪態をついたけど、研究所にいた時は当然こんな事してくれる人間なんて居なかった。 入れられていた部屋には常に研究員が俺の容体を伺うように監視に来ていたけど、それ以上の事はしない。話す事もない。 だから久々に人の温もりとか、優しさに触れた気がした。 凄く、落ち着く。
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