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自分の身体は落ちた運動能力を除けば正常に機能していて、今まで実験台にされてたなんて嘘みたいに何ともない。
それは研究所に囚われていた時から常々不思議に感じていた事で、俺はきっと自分の身体に何が起きているのかも分からないまま突然急死したりするんだろうかとかいつも考えていた。
1人で考える時間が長かった。
ずっと1人だったから。
「なんかお前さ…見ない間に…」
弥羅がまじまじと俺を見ながら真剣な顔で口を開く。
「…何だよ。またちっせえって言うのか?」
「いや、なんかエロくなったなって。」
「………」
………
………
………は?
「お前今、何て…」
「いやゴメン、きっと俺がおかしいのかも。」
「きっとっつーか絶対お前がおかしいんだよ!」
「あはは、久々に会って安心したせいもあるのかな。」
弥羅が横からぎゅうっと抱きしめてくる。
「ずっと会いたかった。」
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