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外国では決められた時間だけ働いて決められた量をこなす。
そして即座に、一目散に家路につく。
この思想があるので外国では残業がない。
残業がないということはすなわち、終わらなかった仕事がないということである。
吉越氏が日本に帰国し、一番最初に驚いたのは残業の多さだった。
皆がなに食わぬ顔で残業しているのだ。
残業するのは当たり前。そう思っているのだ。
残業することができるということは、裏を返せば出勤中に仕事が終わらなくても残業時間にまわすことができるということだ。
これは当たり前だが、効率が急激に落ちる。
このままでは駄目だ、と思った吉越氏は金曜にだけ『ノー残業デー』を導入した。
一週間のうち一日だけなのだが、社員の反発は物凄いものだった。
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