~第一章~

5/6
前へ
/9ページ
次へ
「それじゃあ、まずロストチルドレンについて話していこうか。ロストチルドレンというのは簡単に言ってしまえば記憶を失った子供のことだ。だが記憶を失っただけではロストチルドレンと呼ぶことはできない。記憶力、身体能力のどちらががずば抜けて優れてないといけない。どちらかでいい、片方だけで。ロストチルドレンってのは本当に稀少なんだよ。記憶を失った子供が10万人いたとしてその中に1人いるかいないかぐらいだ。ロストチルドレンの中でも君のように記憶力と身体能力の両方がずば抜けて優れているような子はさらに稀少でね。君は稀少中の稀少なんだよ」 「おい…、なんでそんな簡単に稀少中の稀少とか言えちまうんだよ?」 「きちんと調べてはいないけどね。私には分かるんだよ。それに君は昔から身体能力は凄かったからね。おっといけない」 「…お前。俺の過去知ってんのか?」 「さぁ、どうだろうね。ロストチルドレンの簡単な説明はこのぐらいにして次は君にやってもらうことについて話そうか」 「おい!話そらすんじゃねえよ」 英は俺の言葉を完全に無視して話を続けた。 「これから1ヶ月。君には君には様々な事を学んでもらう」 「学ぶ?何を?何のために?」 「学ぶと言ってもただ科目を勉強するだけじゃない。銃器等といった武器の扱い、バイク等といった乗り物、そして様々な武術を学んでもらう。おそらく1ヶ月もかからないと思うが、とりあえず1ヶ月は確保させてもらった。いいね?」 「何が、いいね?だふざけんな!無理に決まってんだろうが。第一俺はやるなんて言っ」 「無理だと思うのかい?そう思うのも無理はないか。たしかに普通の人間には出来ないかもしれない。しかし君はただの人間ではないだろう?君はロストチルドレンだ」 「それが何だってんだ。何か関係あるっていうのかよ」 「ああ、大アリだ。これは先に説明するべきだったね。まずロストチルドレンの記憶できる容量ってのは普通の人間の約100倍はあるんだよ。今の君の脳を満たしている記憶は0.01%も満たない。あれだけのことを覚える容量は十分に足りているんだ。それに加えてロストチルドレンは一度見たり聞いたりすればほぼ完全に覚えることが出来身に付けることができる。例えばさっきのテストのようにね。今もそうなんじゃないかな?」 「今?」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加