一、黒板を見ない少女

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――彼女は名前を支倉 仁美(ハセクラ・ヒトミ)、という。 成績は学年で三本指に入る秀才で、多分容姿もそれと同じ。 少なくとも、オレのクラスじゃ一番可愛い……と思う。 背中の半分まである長い黒髪を耳にかけて、彼女はまたノートに文字を綴り始めた。 (……いつも何書いてんだろ) 考えても分からなかったオレは、先生が黒板に向かったのでとりあえず自分もシャーペンを持った。
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