一、黒板を見ない少女

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そして体育終了後に教室に戻ってきた支倉仁美の慌てっぷりに、ノートの持ち主が誰かを知ることになる。 「……あ……あれ?」 小声で呟く彼女はうっすら汗を掻いていて、なんとなく色っぽい。 (ああ……やっぱいい席だ) オレはというと拾ったノートのことなんて全く忘れていて、気づかれないように彼女をチラ見することに精を出していた。 「え……あ、あれ?」 「……どうかした?」
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