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駅から100メートル程離れた場所には、花屋ができていた。
店員は一人しかおらず、見覚えがある顔だった。
「筒井?」
くるりと振り返った端正な顔は、予想通り高校の同級生の筒井俊だった。
「…中園?」
「うん」
「マジで!?久しぶりだな!あ、こいつ覚えてる?」
筒井が指差した方には、白いテーブルで優雅にコーヒーを飲む男がいた。
「うわ!安斎じゃん!!」
「中園!?」
こちらも咲恵の同級生の、安斎圭太だった。
「安斎、今何してるの?」
「そこの角でバーやってる。もうすぐ結婚するんだ」
「へぇ、おめでとう!お相手はどんな方?」
「こいつの妹」
「筒井の妹って…蘭ちゃん!?」
「うん。別れろ別れろうるさいんだよ」
不機嫌な顔をした筒井に、思わず吹き出した。
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