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俺らはその後セコムと別れ、魔王城一階、魔王の間のとなりにある部屋大広間にやってきた。
大広間には大きなテーブルとキッチンがあり、皆そこで談笑していたり、ご飯を食べたりするのだ。
「と、いうわけで次にご紹介する役割は、メイド長です。彼女は主に炊事、買い物が仕事です」
「もうほぼコックじゃねーか」
「お母さんみたいです! 」
「この時間はすでに晩御飯の準備をしていまーす」
「……はや!? まだ二時だぜ!? さっきまでお昼じゃねーか!? 」
「じゃあキッチンに潜入してみましょう! 」
俺らがキッチンを覗くと黒を強調した、シンプルなメイド服の上に割烹着という非常にミスマッチな出で立ちで作業をしている女の子がいた。
「おいっすーミカ」
少女の名前はミカ(12)。黒い髪を綺麗なボブにしている。
「あら、ご主人。なにか用かしら? 」
「今日からここに住むことになった奴らに、お前を紹介しとこうと思ってな」
「そうだったの。初めましてお二方。私はミカエルって言います。みんな縮めてミカって呼んでるわ」
ミカは作業は一時中断し、こんな恰好でごめんねと言いながら二人に握手を求めた。
「……負けた……です…」
「ロリ巨乳……だと……」
そんな二人はミカの手など一切見ておらず、視線は一点、ミカの胸元に集中していた。
ミカは12歳ながら、すでにDカップという驚異の発育を見せている。いちごたんなんかは、さっきのセコムとはいい勝負だったから今のような素振りは一切見せなかったが、ミカは別格。明らかに勝負がついているので、落ち込んでいるようだった。
「あはは……」
ミカ、苦笑い。
「あ、あのメールアドレスを……」
「お前、まったく成長してねぇじゃねーかッ! 」
「ごふッ (俺が殴ったから舌を噛んだ音)」
口元をおさえゴロゴロと転がってる田中を放置し、ミカに二人を紹介する。
「こっちがいちごたんで、こっちが田中ね」
「よ、よろしくお願いね……」
ミカの田中を見る目は冷ややかだった。
いちごたんは割り切ったのか、すでに元気でよろしくです! とお辞儀をしていた。
「ところでご主人、いきなり二人も入るってどういうこと? 」
「スカウト? 」
「なんで疑問形なのよ……」
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