魔王、いちごたんを欲する

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 「いちごたん……これを見るんだ」  「……! こ、これは……アメちゃんです!? 」  「これが欲しかったら俺の嫁になれ! 」  それははスーパーで特売してるいちご味のアメ、100個入りだ。いちごって名前だからもしかたらいちごが好きなのかもしれない。いや、そんな安易な……  「………く」  いちごたんは案外揺らいでいるようだった。マジか。  なら、追い打ちをかける!  「今ならもう一袋ついてきます」  「!!!! 」  あと一歩。あと一歩で俺は伝説のロリコン、光源氏を超えられる……。  「俺の嫁になれば、命助かるんだよ? 今のいちごたんじゃ絶対に俺に勝てない」  「確かにそうです……蹴っても、殴っても、斬っても、魔王はなぜか嬉しそうでした……」  「当たり前だ。幼女にならぐちゃぐちゃにされても、それはご褒美だ。たとえ伝説の剣エクスカリバーでもね」  いちごたんは決断してようだ。顔をあげ、俺を睨む。俺はその顔を脳内保存する。今夜のおかず決定だ。可愛い。  「……わ、わかりました。でも、約束がひとつあります」  「なんだい? 嫁の頼みならなんだってするぜ? 」  「ボクと一緒に旅してきたパートナー、お兄ちゃんを殺さないでください! 」  「お兄ちゃん……あぁ、一緒にこの城へやってきた男か」  「はい」  そのお兄ちゃんとやらは、この城の門番と戦い、負けた。丁度捕縛していたからよかった。  「セコム。連れてこい」  「御意」
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