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俺がそういうと一人のサムライ風少女が、男を引きずってやってきた。
少女の名前はセコム。この城の用心棒だ。
俺は縄で縛られている男に歩みより、話しかける。
「死なずにすんでよかったな」
「縄をほどけ。俺がお前を殺す」
男は威勢がいい。白髪は振り乱し、真っ赤な目はこちらをとらえて離さない。そして溢れる闘争心。彼は相当強いんじゃなかろうか。少なくともセコムより……。
「名前は? 」
「ライト、ライト・アルベールだ」
「お兄ちゃんの本名は、田中光です」
「ちょ、いちごたん!? かっこ付かないから本名では呼ばないで!?」
もしかしてこいつ……痛い子!? 中二病……!?
「ほら見ろ! 誤解受けてんじゃないか!! 」
「えっと……ライトくん? 」
「魔王に気を使われた!?」
男は相当ショックだったらしく、体制をくずして頭をうった。わー痛そう。
「イテテテ……ライトの名は国からもらった名前だ。本名が割れたなら、そっちでいい」
「じゃあ田中」
「苗字かよ!? 」
「いや、そっちのが言いやすかったからさ」
「魔王様、私空気でござる」
「セコム、今なんでいきなり話はいってきた? 」
俺はセコムにもう持ち場に戻っていいよということを伝え、魔王の間のメインの場所にある、魔王の玉座に再び深く腰掛けた。
「田中。お前、セコムに負けたんだろう? そんなお前が俺に勝てるとでも? 」
「あぁ、セコムちゃんとは戦えなかったからな」
「……どういうことだ? 」
「俺は、14歳の少女を傷つけることなんてできないからだ! 」
セコム。14歳。貧乳。採用基準はお察しの通り俺の趣味。
「だから俺はお前を倒せる! 俺ものそい強いし! 」
「ボクたちがたった二人で旅してきたのもお兄ちゃんが強いからなんです」
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