魔王、いちごたんを欲する

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 俺は魔法でちょちょいと田中を縛っていた縄を解く。  「じゃあ田中。俺と戦うか? 絶望を味わうことになるぞ? 」  轟ッ!  俺がちょっと本気だしたから、俺の闘気が田中を襲う。  「……!? 」  田中の顔は驚愕の文字のみを浮かべていた。けど田中はその場から一歩も引かなかった。いままで会った中でも最強クラスだ。いちごたんと一緒にこいつもいただけないだろうか。  「田中喜べ。お前、俺と戦わずに済むぞ」  「どういうことだ……? 」  「俺がいちごたんと婚約を結んだからだ」  「なん……だと……!? 」  「親族を殺すのは引けるからなー」  「おい……ふざけるな……」  田中はわなわなと震えだした。怒り。その感情が田中の表情から読み取れる。そして、その感情、思い、すべてを口に出し叫んだ。    「いちごたんは俺の嫁だ! 」  「待て、それはおかしい」  「うるさい! 俺のだ! 」  「お前兄なんだろ!? 」  「血がつながってない妹、近親相姦、ぜんぜんイケます」  「ボク、お兄ちゃんと血、繋がってなかったの!? 」  ダメだ。こいつ……俺と同じ人種だ……! だが、それなら手はある。  「田中よ……」  「なんだコノヤロウ」    俺は懐からさっとあるディスクを取り出す。  「そ……それは」  「そう、今日発売の幼女モノエロゲだ」  「……ほんとは俺、今日並びたかったんだ……」  「田中、お前にコレあげよっか? 」  「……!? 取引をしたい」  田中は神妙な顔つきで俺の所まで歩いてきた。  「魔王よ、婚約は一応勇者だから地位的にまずいから、囚われたで勘弁してくれね? 」  「いいだろう」  こうして俺は兄の了承と共にいちごたんを手に入れた。
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