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「と、言うわけでようこそ魔王城へ! 」
俺、魔王アル・ベルゼブブは一目ぼれをした勇者いちごを手に入れた。ついでにいちごたんの義理の兄、田中もだ。
「実はこの魔王城にはルールがありまーす! それはなんでしょう! はい、いちごたん」
俺はいちごたんを指名する。いちごたんは一瞬だけ、考えなにか思いついたように顔を明るくさせた。
「一日一善! ですか? 」
「魔王なのに!? でも可愛いから許す! はい、次田中!」
「えーっと……ゴミ捨ては当番制……とか? 」
「……は? つまんな。 カスだな。 死ねよ」
「俺の扱いが酷い!? 」
うるさい田中を放置しつつ、いちごたんのため明るい笑顔を振りまきながら、答えを発表する。
「ここに暮らす人は、なにかしらの役割を持ってもらいまーす! 」
「役割……ですか? 」
思案顔のいちごたんの肩に手を置き、イケメンスマイルを見せつつ俺は説明を始める。
「自分の得意なことで、なにかしらの仕事をするってかんがえればいいよ」
「ほぇー、そうですか! 分かりましたです! 」
「うわ、あの顔完熟トマトみたい」
「てい」
「ゴベキッ (なにかが砕けた音)」
「さあ、いちごたん。例を見に行こうか」
「はい! 」
「……あれ? 首が真反対に曲がってるよ……? 」
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