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俺ら三人はまず、城を出て門の前にある小さな小屋にやってきた。
「セコムー。いるかー」
「はい、いるでござるよ」
俺が戸を叩くとすぐにセコムが出てきた。
「これがセコム。ウチの門番だ。前回もちょこっと出てきたね」
「どうもセコムでござる。姫、ゴキ虫」
セコムは事情を知っているので、新しい仲間に丁寧にあいさつをした。
「よろしくです! ボクは桜いちごです! 姫はやめてください」
「いや、ですが……魔王様の婚約者となるのでござれば……」
「固いですよー 」
「は、はぁ……」
「え、俺ゴキ虫って呼ばれた? 」
セコムといちごたんはすぐに仲良くなっているようだった。さすが俺の嫁。これで近所付き合いも心配ないね! 近所だれも住んでないけど。
「おい田中。お前前回セコムとの戦いでなにしたんだよ 」
俺はものすごくセコムに嫌われている田中を不思議に思い、田中自身に聞いてみる。
「なにって……求婚……? 」
「え」
「いや、つい」
「ちょっと待ったでござる」
「お、おう」
「このゴキ虫、求婚とかほざいてるでござるがその実は、ただのセクハラでござった! 拙者のお、お、お尻を撫でてきたりとか……と、とにかくこの変態は仲間とは認めないでござる! 」
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