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その墓はかなり以前より、無縁仏になっていたため、男は不審に思い、少年に近づき、背後から声をかけた。
「坊ちゃん、お墓参りですか?」
その墓に相当、思い入れがあったのか、後ろから近づいてきた男に全く気付かなかった少年は、驚いた様子で振り返った。
小学5、6年生だろうか? 黒々とした艶やかなストレートヘアーは、坊ちゃん刈りで、黒い瞳はとても愛らしのだが……
その肌は蝋のように白く、墓の前に立つ少年の印象は、男の目には、とても薄気味悪く映った。
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