彼氏いない歴=年齢

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会計後、急いでコンビニを出た私は、キョロキョロと左右を見回した。 あの男の人らしき後ろ姿は、薄暗い外灯の下を通り過ぎ、駅に向かってスタスタと歩いているところだった。 薄暗い夜道でも分かってしまう程、背筋がピンと伸びていて、とにかく姿勢がいい。 私は、まるで宝物でも見つけたかのように、彼の背中を目掛けて走り出した。 「あ……えっと……あのっ……」 ようやく追い付いて声を掛けると、男の人は立ち止まってパッと振り向いた。 さっきと同じ、鋭い目が私をジロッと見る。 思わず、腰が引けてしまった。 「あ…えっと……さっき、ありがとうございましたっ!」 私は膝の所まで、頭を深く下げた。 「………………」 男の人は何も答えない。 あれ……なんか私、まずい事…… 恐る恐る顔を上げると、その人は腕組みをしながら右手を顎に当て、考え込むようなポーズで私をまじまじと見ていた。 「あの……何か…?」 「いや、あんた、さっきレジですみませんって小さく言ったじゃん? 悪くないのに謝る心境って、俺には理解不能だから」 「はあ……」 気の抜けた声で返事をしてしまった。 なんか、怖い人かも…… 「まあ、別にどうでもいいけど。それじゃ」 「あ、ちょっとまっ……」 私は慌てて男の人を引き止めた。 「何?」 男の人は面倒くさそうに聞いた。 「いや……あの…これ……」 私は手に持っていたコンビニのレジ袋からフルーツヨーグルトを取り出し、彼に手渡した。 男の人はキョトンと目を丸くしていた。 「えっと……さっきのお礼ですっ! こんなので、申し訳ないですけど………」 男の人はヨーグルトを受け取る訳でもなく、ただそれをじっと見ていた。 もしかして……非常に迷惑だった…かも…… 「あ……やっぱ、いらないですよねっ………本当すみませんっ……」 ヨーグルトを差し出した手を引っ込めようとした時 突然強い力が私の手首を掴み、塀の壁に体を押さえ付けられた。 早過ぎて、何が起きているのか分からなくて 「……お礼だったら、別の物がいいんだけど」 この状況と、その言葉の意味を理解するまで数秒掛かってしまった………
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