意地悪な高校教師

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「お疲れ様でしたー」 6時ちょっと過ぎにバイト先を出て、駅前のスーパーで夕飯の買い物をしてからアパートまでの道のりを歩いた。 いつも通りの帰り道を、いつも通りのペースで、いつも通りすっかり暗くなった空の色を時々見上げたりしながら。 一つ、いつも通りじゃない事があるとすれば、家に向かう足取りが少しだけ重い事だ。 『ヨーグルトちゃん』 まさかあの人と隣同士の部屋だったなんて…… そんなドラマみたいな事、自分には一生起こらないだろうなって思っていたのに…… 一つ、溜め息が漏れた。 あの人が、私なんて全然気にしていないのはよく分かってる。 もしかしたら、今日の朝の出来事だってすっかり忘れてるかもしれない。 あんなに美人な彼女(らしき人)もいる事だし……… それは分かっているのだけど……… もしまたあの人に会ったら、正直どんな風に接すればいいのか分からない…… 多分また、面白がってからかわれるんだろうな…… いちいち本気で反応してしまう私が悪いんだけど…… 歩きながら、ガサガサと手に持ったスーパーの袋が揺れている。 また、溜め息が漏れた。 情けないなあ…… もっと、平然と振る舞えたら良いのにな…… 『26にもなって、冗談信じるお前が悪い』 本当に、高野さんの言う通りだ…… 「……今日はヨーグルト買ったの?」 突然耳元でふわっと緩やかな風を感じ、心臓が飛び出しそうなほどドキリと大きく音を立てた。
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