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「ん…。」
グランドから、野球部員の掛け声が聞こえる。
いつの間にか寝てたんだ…。
てか今日寝坊した上に、さらに寝るってどんなけよ。
葵は左手で頭を支え、ため息をついた。
いつも瞬平と下校していたため、教室で待っているうちに眠ってしまったようだ。
…なにしてんだろ。瞬ちゃん、彼女出来て、その子と帰ってるかもしれないのに…。
カバンを手に取り、廊下に近付くと、男女の声が聞こえた。
ドアに手をつき、そっと声の主を探す。
いつもなら、気にもとめない事。それが出来ないのはきっと、この声を知っているから。
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