第零話 退屈な設定説明的序文

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――僕の両親はラブラブだった。 西暦1989年 椎野奈々、誕生。 つまり僕が生まれたわけだ。 その後も付き合い始めたカップルのようにイチャイチャしまくり、 西暦2000年 椎野緑、黄、赤、誕生。 僕が11歳になった日に、女の子の三つ子が生まれた。 これには僕も驚いた。 まず誕生パーティーが三日ほど先延ばしになった。 幼い僕はそれが結構ショックだったみたいで、このめでたい日に半ベソをかいていたらしい。 しかし三人の赤ちゃんを見ると自然と心が和む。 僕は次第にこの三つ子たちを可愛がるようになった。 ――そして2010年、今に至るわけだ。 赤ちゃんの頃とは違い、三つ子たちの間にもいろいろな変化が出てきた。 と、いうかまるきり違う。 アカは元気はつらつの子どもらしい女の子。 コウはなぜかいつも強気で正直になれない女の子。 ミドリは本が友達の寡黙な文学少女。 三つ子というものはここまでバラバラになってしまうのだろうか? 三つ子同士通ずるものがなにかないかと聞けども、特になし。 僕は毎日この三人に振り回されたりするわけです。 ま、そんな生活好きだからいいんだけどね。
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