多分、初恋。

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   ×  ×  × 学校の帰り道、 あたしは 同中で親友の円(まどか)と一緒に、 駅前の書店で少女マンガを 立ち読みしていた。 タイトルは "初恋は健太くんっ!!"。 あたしはそこそこ少女マンガを読むが、 手に取るのはいつも "ストロボエッジ" "color"など 比較的綺麗系の絵やストーリーが多かった。 このマンガはラブコメなのだが、 初恋というキーワードに惹かれて 試しに買ってみたら 意外とハマってしまったパターンだ。 「わぁーいいな初恋」 思わずうっとりと呟いた あたしの一言に、円が反応した。 「はる、現在進行形で初恋なんじゃないの? 橋本先輩に」 円の語気が少し強まったと思ったのは、 あたしの気のせいだろうか? 橋本先輩というのは 無論、雅のことである。 「………ん。 まぁ多分、初恋ってとこかな」 「なにそれー変なの!!」 円は口に手を抑えて可笑しそうに笑った。 我が親友、円の一番の良いところは 表情が優しい所だと思う。 そんな円が、 ほんの一瞬だけ 瞳をきらりと光らせた事を、 あたしは見逃さなかった。 円は目を弓なりに細めて笑いながら 「はるさ、 もしかして前に 好きな人とかいたりしたんじゃないのーっ?」
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