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私と彼女は、何もかもが違っていた。
無邪気で優しくて、
天使みたいな愛らしさを持ったあの子は、
当然クラスでは人気者だった。
それに比べて私は。
成績以外は凡庸そのもので、
根暗で嫉妬深く、
おまけに極度の人見知りだ。
私なんかと
彼女が仲良くしていて
いいのか、と思った。
ある日私は親友に問う。
「何で私なんかと
付き合ってくれてるの?」
「好きだからにきまってんじゃん」
私の顔が、
きゅうっと熱くなった。
友達があまり多くない私にとって、
彼女の「好き」という言葉は
トクベツだったのだ。
気持ち悪いと思われるかもしれない。
でも、私の中は彼女で埋め尽くされていった。
目を閉じると、浮かんでくるのは彼女の笑顔。
髪型もケータイの機種も制服のリボンも進路も、
彼女の真似をした。
ベストフレンド、
今の私たちにぴったりな言葉だと思った。
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