プロローク-陽炎少女-

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彼女の心の全てを私が占めたらどれだけ幸せなことだろう。 しかし、それが叶わないことを 私は知ってしまった。 彼女にとっての親友は……… 杏という、別の子だったから。 仕方ないことだとは分かっていた。 両想いのカップルが簡単に ぽんぽん成立するのは、少女漫画の中だけだって。 お互いに一番の友達になる確率は、 何百分の一の確率だって。 でも、 片想いの女の子の曲の歌詞の意味が、私にも少し分かるような気がした。 追い打ちをかけるように、 彼女と私は、同じ男子に恋をしていた事を知る。 でも、 幸せそうに笑う彼女のためなら 初恋の相手でも諦めることができた。 それなのに、 彼女は私を裏切ったのだ。 いや、無意識のうちに私の気持ちを踏みにじったと言った方が正しいかもしれない。
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