出逢い

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差し出された手をみて、私は固まってしまった。 そして、いろんな思いが駆け巡った。 友情、信頼、裏切り…… そんな思いが私のなかで駆け巡った。 『嫌ならいいんだよ。てか、いきなりすぎたよね…ごめ…』 『なんで…?』 『えっ…?』 私は彼の言葉を遮ってそう聞いた。 『なんで私なの?他にも沢山人はいるじゃん。よりによって、なんで私なの?私みたいな人間を選んじゃダメだよ…。』 そう私は一気に言った。息継ぎをせずに言ったから、少し呼吸が乱れてる。 『……何でって言われても…。なんか君のことが気になったからだよ。』 えっ…? 『毎朝こなベンチに座ってるのを見て、なんか気になっちゃったからだよ。』 毎朝…?ずっと私を見てたの…? 『……これじゃぁ駄目かな…?君と友達になる理由。』 下ろしていた手を再び上げて、握手を求めてきた。 嘘だ…この人は嘘を言ってる…。 人は何を言い出すかわからない…。 今までだってそうだったじゃん。 だから、私は… 私は無言で走り出した。 人を信じちゃいけないんだ…。
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