守りたいもの、

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守りたいもの、

「―とにかく静かな場所が欲しかった」 中等部の授業を終えた清水陽人(しみず はると)は、ある逸材に会うため、下校中の生徒をかき分け坂道を登っていた。 赤く染まった葉が、静かに落ちてくる。 坂道を登りきったところで、大きな紅葉を着けた門がみえた。 その脇には、学生帽をかぶり、学生服を着て庭に佇む少年がみえた。 陽人が声をかけると同時に、少年は舞いがるようにして大きく手を振る。 「君が?」 陽人は、門の隣で立ち止まり、ペコッと頭を下げた。 「今日は来てくれてありがとうございます」 大分落ちついた様にみえる少年は、笑窪を上の引き上げ穏やかな表情を浮かべた。
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