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「本当に、お邪魔して良いんですか?」
陽人は、少年に訊ねる。
「もちろん。今日は貴方ににとって大切な日ですからね」
「大切な日?」
「そう。だから、貴方をここに呼び出した」
「過去の僕の話し……ですか?」
陽人の問いに、少年は大きく頷いて答えた 。
一月ほど前、陽人は一度ここを訪れた際、少年が陽人の過去について語ろうとした。
しかし、それは陽人自身によって断ち切られてしまった。
―あとでまた、聞きに来てください。
少年のあの言葉は、社交辞令ではなかったようだ。
「そうゆうわけで、陽人くん」
ひととおりレクチャーを終えるなり、少年は早くも口をひらこうとしている。
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