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「さて、今回はどこから話をすすめましょうか」
少年が、机の上にファイルを2つ載せて戻って来た。
「僕は1度死んだって
陽人は、少年の差し出すファイルを受け取りながら答えた。
―――陽人は1度死んだ。
前回、少年がそう切り出した。
1度死んだ?
僕みたいな人間でも、確かな感情があったのだろうか?
陽人自身の中で、様々な憶測がぶつかり合っていた。
「じゃあ、まずもう一度自己紹介からやらせてもらうよ」
少年が、一言告げてから言った。
「よっ!なにやってんだ」
居間の先で、聞き覚えがある声が聞こえたと思うと、どこか見覚えがある体が襖から入って来た。
「しゅ、隼汰」
思わぬところでの顔合わせに、陽人は驚きの声を上げた。
隼汰も、陽人とは深いかかわりをもっている。
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