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8月15日午後12時半くらい。
天気、晴れ。
病気になりそうな眩しい日射しに辟易しながら、青峰と火神はベンチで荒い呼吸を繰り返していた。
お盆最終日といえ、まだまだ夏と言うに相応しい暑さ。することがないからバスケをしようと言い出したのは青峰で、同じく予定のない火神は二つ返事で乗ってきた。
ストバスコートは他のグループが使っていた。自然と足を向けたのは公園。備え付けのゴールが一つ、それさえあれば十分だ。
とめどなく流れる汗、蝉の鳴き声。太陽の光が痛い。あぁ、夏だ。幾度となく巡ってくる夏――。
「俺、ちょっと水飲んでくるわ」
不意に火神は立ち上がる。足元で伏せていた子犬が顔を上げた。暑すぎて死ぬ、そう言った心情に激しく同意して、青峰もベンチから腰を上げる。喉がカラカラだ。
並んで水道を目指しながら、青峰はげんなりと空を見上げた。突き抜けるような青。それを際立たせる、真っ白い入道雲。嫌いではないのだ、この季節は。しかしこうも暑いと嫌がらせのようにも感じられる。
「早く冬来ねぇかな冬。暑くてマジやってらんねぇよ」
「冬は冬でキツイけどな。でもまぁ――」
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