stage 1

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「ジンクスがあるんだ」 「ジンクス?」 旬は私の手から、雑誌を取り上げると イサの写真を、指でパチッと弾いた。 「そう。このコーナーに取り上げられた新人は、必ず……売れるって」 本来なら、胸が躍りそうなその言葉は 少しだけ私の胸をチクリと刺した。 イサが私の隣から 一歩ずつ違う道を歩いていく度 何だか胸を刺すチクリ具合は 日に日に増してきて。 ずっと願ってた イサの夢が叶ったんだから 彼女としてはこんな時 もちろん喜んであげるべき。 でも…… 私とイサが歩いてる、ふた筋の道が どんどん大きな角度を開いていくと 喜びと不安の天秤は その度に、ゆらゆらと揺れる。
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