stage 1

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「ふぅん、売れるんだ……」 私は聞き流すように、単調に答えた。 つい半年前までは…… イサは私と同じ、ただの高校生だったのに たった1度廻った季節は 雑誌に載るか はたまた見るかの関係を、築いてしまった。 『何も変わらないよ、ゆずとオレは』 ずり下がった、冴えないメガネを 中指でちょんと直しながら イサはそんなふうに、言うけれど あっち側とこっち側の世界は あの世とこの世じゃないけれど やっぱりそんなに 近いものじゃない。 「先月デビューしたばっかりなのに、早くも目に留まるなんて……やっぱりイサは相当なもんだよ」 旬はそう言うと、雑誌の記事を読みながら ウンウンと、ひとり頷いた。
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