ご褒美

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しばらくして、櫻井課長が、 「そろそろ帰るか。」 と言って、席を立った。 私は、少し寂しい気持ちになって、 「はい…。」 と言って、課長に続いた。 櫻井課長と、駅に向かって並んで歩いていた。 この日の私は、相当、酔っぱらっていたんだと思う。 だから、課長といる時間が楽しくて、いつもより余計に寂しさを感じていたんだと思う。 課長と少しでも一緒にいたくて… だから、つい 「課長!うち、ここから近いんですけど、うちで飲み直しませんか?」 どうして、こんな事を言ってしまったのか、自分でも分からない。 課長は、ニヤリとしながら、 「綾瀬は、寂しがり屋なのか?」 と言った。 いきなり自分の部屋に誘うなんて、軽い女って思われたかな…。 しかし、お酒のせいなのか、私の思考回路は完全に、ショートしていた。 私は、 「課長ともう少し、一緒にいたいんです!」 なんて言ってしまった。 こんな事言って、後で思い出したら絶対、後悔するパターンだよ。 穴があったら入りたいって…。 そして自分に自分で、何言っちゃってるの私!ってツコッんでるよ…。 しかし、今の私は、自分の気持ちに忠実に行動していた。
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