恋心

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課長は私の髪をなでながら、 「舞は夏休みどうするの?」 と聞いてきた。 「友達と海外旅行行く予定だよ。」 「ふーん、もしかして男?」 と課長は言った。 これって少しは私の事が気になってる!? 変な下心が出た私は、 「もしかして、気になる?」 と、あくまで冗談ぽく聞いた。 ただ、あくまでも冗談ぽく。 しょせん、小心者の私は、相変わらず課長の気持ちに踏み込めない。 課長は、 「気になるよ。舞の事、他のヤツに盗られたら嫌だし。」 と言った。 ま・じ・で・…。 今までそんな事、課長の口から言われた事がない!! 私は、緩みきった顔で、 「同じ大学だった女友達と行くんだよ~。」 と、課長にくっつきながら言った。 ただ、気が緩んだからと言って、「課長はどうするの?」なんて事は聞かない。 聞きたくもないし。 どーせ、家族と一緒に過ごすんでしょ。 こういう課長に酔っている状況でも、そういう事は冷静に頭が働く。 でも、少しは課長も私の事を思ってくれているんだよね。 今は、課長といられる幸せだけを感じていたい…。
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