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今年ももうすぐ桜が満開になる頃、社会人になってからの一大イベントの異動の時期。
異動の発表は既に出てるけど、実際に異動してくるのは4月に入ってから。
そして私、綾瀬舞子も社会人2年目になった。
金融機関で営業をしている。今時女性の営業職もそんなにめずらしくない。
3時を過ぎてシャッターの閉まった店頭で、こっそり窓口の河上さんとお菓子を食べれる位には、会社に慣れてきた。
「今度来る新しい課長は結構イケメンらしいよ。」
河上さんは、元営業で結婚して子供ができたため、今はパートさんで窓口にいる。
「私は、顔よりも怖くない人の方がいいよ。」
「何言ってるの!!不細工に囲まれて仕事するよりいいでしょ。で、いつこっちに着任するの?」
「明日です。どうか優しい人であんまりプレッシャーをかけない上司でありますように。」
私がそんな願いをかけていると、河上さんが
「この会社で怖くない管理職なんていないから。」
「…。」
私が勤めてる会社は、どっちかっていうと、体育系。管理職もそんなタイプが多い。
私は、とにかく平穏無事な社会生活が送れる事だけを願った。
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