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と、いうわけで今は門の外にいるわけだが
「もう夜じゃん………」
時間を確認する手段がないのでわからないが月の位置からして9時ぐらいだろう
いやほんと嘗めてたね。広すぎるよこの国
別に俺が方向音痴なわけじゃないんだよ?ただずーっと大通りを通ってきたからね?出店っていうか屋台って言うかそれっぽいものがいっぱいあってさぁ、しかもそのお店の人たちがみんな良い人でいっぱいわけてもらったんだよ
ほらやっぱ人からの好意は甘んじて受けないとな
てなわけで『現実設定』使いマース
え?もうそれ緊急用じゃないって?
立派な緊急事態さ!俺の食欲の!
「たしか迷いの森の周辺だったな………ちょっと強引にいってみるか……『依頼である黒虎咆哮の討伐対象の10m手前に移動』」
するといつもどおり視界がぐにゃりと曲がり、気づけば……
「グルルルルルルルルル」
まんま黒轟竜の前にいました
うわぁ、めっちゃかっこいい………
灰色の硬そうな肌に所々の黒い模様がベストマッチしている。鋼鉄をも砕く鋭い一つの凶器であるツメに、どんな硬いものでも粉砕するような強靭なアゴ。そのでかい口から放たれる咆哮は近くにいるだけで吹っ飛んでしまうほどだ
こいつの咆哮だったとしたらあのギルドに行く依頼といわれても納得がいくな。こいつを初めて見たときはそうでもなかったけど、亜種はやばい。かっこよすぎる
そんなことを考えていると、さっきまで警戒して動かなかったティガが動いた
「グラァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
「うわっ!」
咆哮だけで周辺の地面がえぐれ、木々が吹っ飛んでいく
さて、ティガ亜種だからなぁ………あんまし殺したくないな……
するとティガ亜種が体を少し浮かしながら走ってきた
このモーションは………まずい!
気づいたときには遅く、目の前まで来ていたティガ亜種が空気を吐き出すところだった
「グラァァァァァァァァァァァァァァッァ!!!!!!!!!」
ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!
さっきとは違い、ティガ亜種からまっすぐに飛んでいった咆哮、もはやブレスといってもいい攻撃は、一直線に地面をえぐり木々をなぎ倒していった
ティガ亜種も満足したのか、この場を去ろうとした
が、
「ふぅ、危なかった」
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