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「あ、ミクルちゃんよね。『遠足』では姉がお世話になったって言ってたわ」
その隣からピョコっと出てきたのは、水色の髪をツインテールにした気の強そうな女の子。マニラである
ただ、マニラのお姉さんに会ったことは記憶には無いので首を傾げるだけなのだが
「明日はギルド集合で、依頼をこなして受付で完了印を押してもらって合格だそうよ。ほら」
ボケッと考えていると、流石はまとめ役、既にラク先生から聞き出しており、依頼書も貰ってきていた
どれ、と依頼書を覗くと、中等部の生徒が班になってうけるなら妥当な所だろうというレベル、つまり超簡単な討伐依頼だった
「おーし決まったなー、それじゃあ今日はここまで解散」
ラク先生の合図で授業が終了、明日の打ち合わせを少々して(専ら聞き役だが)解散となった
で、次の日
「それじゃあ行きましょ」
依頼書は持っているものの、それを受理するのには一度ギルドの受付で判を貰わなければならない
入るギルドは、というか集合場所が必然的に『翼龍の咆哮』でビックリした。『ギルド集合ね』=『「翼龍の咆哮」集合ね』というのが普通らしい。知名度がわかる
「はい、受理しました。気を付けて行ってらっしゃいませ」
いつも通り緑色の髪の受付さんにやってもらい、ギルドを出た
テンプレのようなことが起きないのは喜ばしいが、逆に不吉な気がしてならない。面倒くさいことにならなきゃいいなーと思いつつもため息を我慢するのに必死だった
それから目的地は門から出た先の『迷いの森』
姉さんは以前最深部まで行ったらしいが、今回の依頼はそこまで深いところのものではなく、大体中間あたりの、精々夜の薄暗さを注意する程度の、昼間ならば左程危険でもない場所だ
「さてと!それじゃあ出発!と同時にガールズトーク!」
「ワーパチパチーと合いの手を入れます」
「………」
門を出た瞬間、なぜかマニラがテンションを上げて宣言した
それに続く感じで、あまり表情が豊かでないカレハが手を叩く
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