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「うんうん、カレハの言う通りよ。他にも『美しき勝利の薔薇』とかが美形ギルドで有名だけど、あそこはもうナルシストの巣窟よ」
『美しき勝利の薔薇』はナルシストの巣窟………なぜか脳内から完全に抹消しないと気が済まなかったので消しておいた
「あ、もう着いちゃった」
などなど、ガールズトーク？をしていたら結局目的地に到着。そこまで深い場所でもなかったので、歩きでは妥当な時間だ
今回の依頼は『アンダードラゴン２頭の討伐』
調べによると、翼は持つものの劣化して空を飛べなくなったドラゴンの総称らしい。が、大体のアンダードラゴンの姿かたちは決まっているので大差はないとのこと
さらに鈍重で攻撃も鈍い上にあまり気性は荒くないらしい。その代わりに一発が重く、ブレスも突然吐いてくるので注意だそうだ
で、該当するアンダードラゴンを見つけたのだが、
「「「………」」」
バリボリゴチャグチャ、なんて擬音が耳によく聞こえてくるぐらいの豪快な食べっぷりを披露している別の生物がいました
黒に近い褐色の肌。元が何色なのかを連想させない程に色素の抜けた白く長い髪。ボロボロの布がギリギリで衣服の役割を担っており、目的は背中に担いでいる巨大な棍棒を結ぶものだと思われる
そして、最大の特徴が『尖った耳』
今現在家で執事として働いてもらっているグラハムさんが、姉さんと出会うまでは卑劣な人間によって悲観にくれて堕ちてしまっていた姿
ダークエルフ。今度は女性のようだが、それが俺らの目的であるはずの死んでいると思われるアンダードラゴンにかぶりついていた
俺ら三人はいきなりのランクアウト級の登場に固まり、いつも無表情のカレハでさえ少し動揺している
いや、俺の場合は違うな。違うことに驚いていた
なんで主人公イベントがこっちに……という驚きだった
だってハクも今回のプチ課外授業は受けているはずだし、リョウだってごく最近リア充になってる。そっちに行かないと割に合わない。俺なんてしゃべらないっていう制限も付けてるのに
ちくしょう、涙が出て来そうだ
いや！もしかしたらあいつらにはもっとすごいイベントが来ているのかもしれない！……と励まさないとやってけないよぅ
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