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「そういえば最初に試した俺に害があるものは効かなかったな……ただ便利だなぐらいにしか思ってなかったけどもしかして……」
最初に、一番最初に『右腕が云々』のような、俺の身体に関することを試した。某錬金術師のような末路を辿りたくなかったら
が、それは失敗に終わり、他のことも『俺に害が及ぶもの』はすべてが俺以外にならば通用した
ただ便利だなとか、チートだなとか、そんな風にしか思ってなかったが、よく考えればそれは今の現象と繋げられる
『俺に害が及ぶ事柄』に適用されないのではない
『黒ローブが関係する事柄』に適用されないのだ
理由はよくわからないが、これならば『俺の性別が元に戻る』というのが設定できないのも頷ける。だって性別が元に戻ったところで俺への害はないのだ。なのに発動してない
確定ではないが、俺の性別を変えたのはまず間違いなく黒ローブであり、その黒ローブが関わっているから『現実設定』が発動しない
元はと言えばこの『現実設定』だって黒ローブがくれたものであり、その黒ローブの権限を冒すようなことをできるはずがないのだ。そんなことが出来れば下剋上など日常茶飯事だろう
ゆえに、俺自身の力では、俺自身に限って性別を変更することが出来なく、かつ黒ローブに関する事柄全てにおいてまったく無力となる
これが最初に黒ローブの言っていた『大抵のことは出来るけど俺ほどじゃない』という意味だろう
と、自問自答の果てにおおよそ正しいであろう自己完結
「はぁ……」
そして、ため息
だってそうだろう。自分で問題提起して勝手に回答して解答を導き出したのだ。それも概ね正しいだろうという答えを
例えこれが誤解だとしても、自分で一度出した『解』は誤解だろうと『解』。もしも後に正解が出ても、きっと心に留まるだろう
同時に、絶対に元に戻ってやると言う意思が再燃した。それも激しく。小宇宙のごとく
と、その前に
「どうしようこの人……」
スースーと気持ちよさそうに寝ているダークエルフ(白)だけど、寝ている時まで眉間に皺が寄っているわけでもないので、ただの美人にしか見えない
でもきっと目を覚ましたら蛮行は変わらないんだろうなぁ
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