5980人が本棚に入れています
本棚に追加
という少々の不安を裏付けるように、明らかに書いた量とは異なる、それも一日じゃ書ききれないようなページ数をペラペラとめくっていく姉さん
おかしい、明らかにおかしい
「ちょ、ちょっと貸して姉さん」
「う、うん」
半ば奪うようにして本を持つと、まるで数か月放置したかのように少々の汚れがつき、最初のような新品とは程遠い保存状態となっていた
絶対に変だ。そう思って1ページ目をめくった
1ページ目は作った覚えも、最初に見た時に確認した覚えもない【目次】があった
転生日記1P【 】 ・・・1
転生日記2P【 】 ・・・7
転生日記3P【 】 ・・・30
転生日記4P【 】 ・・・59
・
・
・
転生日記16P【 】 ・・・773
転生日記16.5P【 】 ・・・809
転生日記17P【 】 ・・・833
『転生日記』と銘打たれた章がいくつもあり、『1P』が普通の小説で言う『1章』となっているとすぐにわかった
しかし、その章タイトルのどれにも当てはまるのが、その後の空白。一体何が入るのか皆目見当がつかないが、それよりもまずはやはり内容だ
1ページ目は目次。2ページ目も後半の目次で、その次のページからようやく『転生日記』とやらが始まった
【目次】通りの章タイトルが書かれ、そこから紙の一番下に『1』と書かれ、次のページから『2』となっていっている。これは普通に考えてページ数だろう
そして、その内容は、
「………空白?」
呟いたのは俺。そして首を傾げるのは姉さん
「どうしたの?こんなにびっしり書いているのに。それにこれミクちゃんの日記よね?」
「………」
答えられなかった
なぜか俺には見えず、姉さんには文字がびっしりと見えるらしい。それに内容は俺の日記なんだそうだ
そんなものを書いた覚えも無ければ、書こうと思ったことすら無い
が、冷静に考えれば、日記と言う事は主観は俺。そして過去にあったことを書いているのだからこその『日記』。でなければどこぞの未来日記になってしまう
最初のコメントを投稿しよう!