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ちびちびと身体にコーヒー牛乳を流し込んでいると、ハルさんが頬を掻くようにして言ってきた
「えぇとだな……さっきはすまなかった」
「本当に気にしてないですから大丈夫ですよ?故意じゃないなんてすぐにわかりますし」
むしろハルさんが積極的に女湯に入っていくところが想像できない。うん、顔を赤くして必死に抗議するだろう。昨日のように
それを聞いたハルさんは、一度ため息をつき、何とも言い難い表情をした
「ミクルは凄いな……。俺の同期の奴らなんて監禁調教半殺しなんて日常茶飯事だったのに」
「何それこわい」
いやいや、最早犯罪ものじゃないですかそれ。絶対そいつ主人公だよ。ヒロインヤンデレすぎるでしょ
「ほら、グラスいるだろ?時々あいつの耐久力には驚かされるんだが、学生の頃を振り返ると納得できるんだ。あいつも何回も生死の境を彷徨ってたし」
「グラスさんで生死の境を彷徨うって……それもう生半可じゃないじゃないですか」
あの不死身かと思うほどの変態が瀕死て……ハルさんにボコボコにされてもすぐには気絶しなかったグラスさんがだ
そう考えると、学園長がそう言った意味のことを示唆していたのが現実味を帯びて来る。そうえいばハルさんとマスターって同期らしいし。うむ、混沌としていたに違いない
「ま、つーわけで今回は俺が悪かった。偶然だったとはいえ俺の……俺のこんな女みたいな容姿が……ふふふ」
「………」
うわぁ、同じような悩みを抱えてただけに何も言えない
凹んでしまったハルさんをなんとか宥めつつ、ごちそうになったお礼を言って足早にそこを去った
でないと俺まで憂鬱に引っ張られそうで。悩み事が同じだから喉まで共感の声が出そうになったし
神のさじ加減に恵まれなかった人間が妬んだりするように、その妬まれる対象にも悩みはあるのだ。自分がそうだとは決して思っていないが、少し時代を遡れば女顔なんて格好のイジメの的だろう
一に客観二に印象、三四飛んで五に主観
それが人間の価値観であり、自分の意思が通用するなんて滅多なことではありえない。客観、つまり自分以外なんてそれこそゴミのようにいるんだし、数には決して抗えないのだ
………あるぅぇ?嫌な汗を流しに来たのに………
あるぅぇ?
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