転生日記17P【チート・ア・ライブ(二期)】

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と、ほかのみんなが景色に夢中になっているなかキョロキョロしていると、クスッという笑いが聞こえた 「どれだけ見ても街はおろか人っ子一人も見えないぞ?」 クスクスと笑いながらハルさんが教えてくれて、マスターと、意外や意外、グラスさんまでもが平然としていた そのほかのみんなは俺と同じように疑問符を頭に上に乗っけている 「どういうことですか?」 「なんでエルフが貴重な存在かを考えればすぐにわかる。常識講座でやったよな、ハク」 「あ、はい。えっと、中々人里に降りてこないのもそうだけど、森の奥深くに居を構えていて、人間にいい印象を持っているエルフが少ないから、ですよね」 「その通りだ。エルフは自分たちの行動範囲のほぼすべてに常時結界を張っている。それのおかげで姿が見えずに貴重な存在とされている」 唐突に始まったハルさんの常識講座にみんな、へーとか、ほーなど関心の声を上げている が、そこで姉さんが疑問を口にした 「でも私がダークエルフ討伐の依頼を受けた時は受付さんが転移の魔法陣を書いてくれましたよ?それに転移先でも普通に集落が見えました」 姉さんが言っているのは多分『狩い物』の時のグラハムさんとのことだろう。そういえば、そんな簡単に転移ができるのなら貴重な存在でも何でもないような気もする が、そんな疑問にもハルさんもといハル先生は須らく答えてくれた。いつの間にか縁無しメガネを装着していた 「それは多分、聖国からの、聖国直々の依頼だったからだろうな。その転移魔法陣もきっと依頼書と一緒に添付されたものだろう」 使い切りにすれば証拠も残らないだろうしな、と締めたハルさん。依頼を受けたのが『翼龍の咆哮』という世界的に有名なギルドということを考えれば、なるほど、自国の問題を他国の機関に任せている時点で信頼のほどが窺える 姉さんもなるほどーという顔をしていたが、すぐにあれ?という顔に戻った 「でも、その転移魔法陣を受け取るときに受付さんに料金が発生すると言われていくらか払ったんですけど……」 「それは……してやられたな」 「あはは……そうみたいですね」 いい人だと思ったのに、とガックリ項垂れる姉さん。たぶん受付というのはあの緑の髪の人のことだろうと思うけど、なんとなく腹の中は黒そうだと思っていたのがドンピシャ
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