転生日記17P【チート・ア・ライブ(二期)】

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そんな素朴な質問が聞こえたのか、マスターもクスクスと笑いながら、ハルさんまで小悪魔めいた表情をして言った 「さっき言ったろ?『行動範囲のほぼすべてに常時結界を張っている』ってな」 「はぁ……?」 「ま、それが答えだ」 釈然としないまま、からかわれているような気もしたので景色から意識を切り離し、同じペースを保ったまま頭を捻った 取りあえず整理すると、エルフは常時結界を張っておりそのせいで街はおろかエルフっ子一人見えない でも、旅館は見えたし従業員の方々もちゃんと見え、そしてちゃんとレーヌさんの餌食になっていた そう考えるとそこで既に矛盾が起きている。常時結界を張っているのにもかかわらず、普通に旅館が認識できた。がしかし、ちょっと小高い丘の上という立地から見渡す限り植物だらけ ………だめだ、森林浴を意識しなくても徐々にリラックスして思考がまとまらない 結局、折角なので旅行の時ぐらいは身を任せようという結論に至り、諦めて全身で森林のリラックス効果を享受した 途中途中で休憩を挟みながら、一時間とちょっとが過ぎたころだろうか。マスターが止まり、三回目の休憩かなと思ったら違ったようで 「着いたわ」 と、一言 正解を知っている人以外の全員が疑問符を浮かべたに違いない。なぜなら今現在の場所は、さぞ癒されるだろう川のせせらぎが聞こえる、豊かな自然のど真ん中なのだから が、マスターは至って真面目に、 「全員目を瞑ってちょうだい。良いと言うまで開けてはダメよ」 よくわからないまま指示に従い、けれど少しでも謎を解明したくて、目を閉じる瞬間の映像を脳に焼き付けてから目の前が真っ暗に これで少しでも誰かが何かをすればわかるだろう、と心中でドヤッとしながら合図を待つこと約3分 真後ろから「ハァハァ……美少女の緊縛……束縛……目隠し……デュフフ…」と、リラックス効果が全て吹き飛ぶような呟きが聞こえた瞬間、マスターからもういいわよの救いの手が差し伸べられた 言われるや否や括目し、そんなレーヌさん発祥の悪寒すら吹き飛ぶような光景が目の前に広がっていた
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