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「え?あれ?今まで……あれ?」
ハクが茫然と言った感じで呟くが、声に出さないだけで俺を含めた知らない組はみんな同じようなリアクションだ
夢の国に来たかと思えばいきなり生活感漂う街があったり、そして何といってもその住人の皆様
「ようこそいらっしゃいました。聖国民一同、心より歓迎いたします」
「ありがとう。早速だけれど」
「はい、こちらへ」
まるでパレードのように住民の皆様が迎えてくれ、どの方もみんながみんな耳が尖っており身長が高く、そしてイケメンと美人しかいない
どこからどう見てもエルフだ
執事服に身を包んだ、最初に出迎えてくれたエルフさんが先導し、勝利に貢献した英雄が凱旋したかのように歓迎の言葉を投げかけくれている
「私が見た集落とは全然発展の仕方が違うわ……」
「木造って言ってたっけ」
「うん。もっと手作り感が溢れてたんだけれど……」
姉さんが疑問に思ったように、この街の発展の仕方はどう見ても進んでいて、森の奥深くにあるような印象は受けない
同じく木造だしコンクリートではないものの、ちゃんとした設計や工事が施されているとわかるように綺麗で、なんというか木造でここまで出来るのかみたいな
「あー……私こういう雰囲気苦手……」
「あはは……レーヌさんほどじゃないですけど、ちょっと大袈裟というか、そう言った感じはありますね……」
げんなりとしたレーヌさんに今回ばかりは同意せざるを得ないようで、ルカもちょっと苦笑い
前を歩く知ってた組の三人は堂々と歩いているが、それに続く俺と姉さんとハクも圧倒され、さらに後ろの二人は前述の通り
が、最後尾の三人はむしろ生き生きとしていた
「………」
いつも通り無口でクールなカームさんだが、その瞳にはちょっといつもとは違う色がチラチラ見えており、ロイとルイちゃんに至っては、
「おにちゃん……!」
「なんだか懐かしいような気がしますね」
ルイちゃんは目をキラキラと、ロイもロイでワクワクテカテカとしていて、そういえば聖国はエルフや獣人などの亜人が住まう統合国家だったのを思い出した
あれ、でも見える限りにはエルフの方々しかいないような……などと、ふと疑問を抱くもわからず、目的の場所らしいところに着いてしまった
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