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「懐かしいわねぇ……実技の時は色々やるんだけど、当時の上級生の中に破壊属性持ち……というか属性を全部持ってるバカみたいな変人がいたのよ。そいつに判定してもらってたわ」
全属性持ち……それって何度か見てる全帝じゃないかもしかして
「でも筆記はどうしてたんです?レーヌさん勉強とか嫌いそうですけど」
当然の疑問だ。レーヌさんが勉強している姿など想像もできないし、現に本一冊読んでいるところも見たことがない
その意外と失礼な質問にまた呆れた顔で何か言われるのかなと思ったらそうでもなく、むしろキョトンという表情で言われた
「勉強って、あの愚民どもが固まってやってた何の意味もなさそうなお勉強ごっこのこと?」
「いや、まぁ、たしかにそうですけど……」
たしかにあれは何の意味もなさそうだなといつも見てました。帰ったらテスト勉強一緒にしよーぜ!って言って集まってたやつらがいい点数を取っていたところなど一度たりとも見たことがない
ただやはりというか、教え側にまわっていた何人かは常に高得点だったので、教えるには教えられる側の二倍理解していなければならないというのもまんざら嘘じゃなさそうだという記憶はある
そんな教室の会話を一人で帰り支度をしながら聞いてたなーと耽っていると、レーヌさんから驚きの一言が
「ないわよ、そんなの」
「……え?」
……うぇ?
「えーと、勉強をしたことが?」
「ないってば。嫌よあんなの。板書を写すだけでも吐き気がするわ」
「じゃあ筆記のテストはどうやって……」
「……?あんなの授業をBGMに女の子を観察してたら解ける問題ばっかりよね?」
うん、わかった
この人は天才なんだ。なんだかそんな言葉じゃ片付けられないような気がしてきたけど、ほら、天は二物を与えないって言うし。その分の天秤がきっと人間性をおっと危ない
たしかスキナ先輩は実技では学年トップと聞いたから、学年首位となるとその両方を取らないとだめなのだろう
ほぇぁーとなっているエチゼン一家とロイに不思議そうな顔をするレーヌさん。天才はパンピーがなぜできないのか理解できないとかテレビで見てイラッとしてたが、こうも目の当たりにすると納得できちゃうんだなぁ
つまりレーヌさんしゅごいってことだった
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