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ルカはあわあわしてるし……あれ俺もしかして地雷踏んだ?
そう思い恐る恐るカームさんへ視線を戻すと……
「………」
両目を静かに閉じていて、しかし見える両こぶしは少し震えている。この場合の震えはなんというか、うん、はい、怒ってますよね確実に
「えーと、カームさん……すいません何か怒らせるようなことを……?」
「……………………………大丈夫だ、問題ない」
本当に大丈夫なんでしょうかその間は。完全に頑張ってこらえました感が漂ってますがあの
しかし本当にそんな感じだったようで、ふぅ、と息を吐いて力を抜くカームさん。両目を静かに開いて口を開いた。マスクみたいので口隠れてるけど
「ミラ……そういえばそう呼ばれていたな奴は。奴とは数千年以上前からの因縁がある。他の者から見れば逆恨みだと言うだろうが、私は奴を許さない。ただそれだけの話だ」
ポカーンとした
カームさんがこんなに喋ってるのを初めて見たのもそうだが、それ以前に『数千年以上前』という単語
ギルド対抗戦の時に人間ではないというのはわかっていたが、そんなに生きられる生き物って流石の異世界でも珍しいのではないだろうか
「えっと……つかぬ事お伺いするのですが……」
「なんだ。そしてそんなに畏まるな」
いやーでも聞きづらいと言うか失礼というか……。と俺がまごまごしていると、ジッとこちらを見ていたカームさんが察してくれた
「私が人間とは違う何かというのが気になるか」
「……すいません」
「気にするな。ついこの間見せたばかりだ」
あのあとひっそりとこの世界には獣やドラゴンになれる魔法があるのか調べてみた。その結果、検索に引っかかったのは0件。つまりそんな魔法は存在しなかったのだ
あと考えられるのは『特性』だが、ラクも言っていたが『人間には五人程度』しかいない。程度、というのがまた引っかかるが、ドラゴンに変身した姿、そして今の人間の姿どちらが本物なのかわからないので判断基準が曖昧だ
というわけで、結構気になっていた部分でもあった。ミラ先生も同じような感じだったし……うーむわからん
考えているとカームさんが口を開く雰囲気を醸し出しており、後ろからもゴクッと聞こえた。多分全員こっち見てる。というか何気にレーヌさんとかも知らなかったのか。wkwk
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