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そこで姉さんも負けじと食いつく
「ハルさんは仕事と言ってましたが……依頼なんですか?」
「違うわ。ハル、説明を」
「お前もう満足して説明面倒くさいだけだろ」
「私は口下手なの。そういう説明が得意なのはハルでしょう?」
「お前に説明役を任されることが多いくておかげさまでな」
ブツブツ言いながらもちゃんと説明してくれるハルさんかっこいいっす!なんて思って二人のやり取りを見ているとコホン、とハルさんが咳ばらいを一つ
「まずだ。こいつが説明を省きすぎて驚いたと思うが、そんなに大それたもんじゃない。たしかに言葉通り神を殺しにはいくが、生かさないだけだ」
殺しはするが生かさないだけ
なんだかもっとわけがわからなくなってきた。もう意味が解らないよ!状態の俺たち。まぁこのメンツをみれば神様も一ひねりできそうではあるけど
「説明のためにはまず、最近入ってきたお前らにはこのギルドの存在理由を説明しなきゃならない」
そういえば異世界物のテンプレとしてギルドは常連だが、よくよく考えてみたらあまりその定義ってわからない。こう、ふわっとした感じではわかるけど説明してみろと言われるとできないみたいな
「このギルドはどんなところだとルカから聞いた?ミコト」
「はい、公的機関に属するギルドではできないような裏の仕事を任されるところだと説明されました」
「そうだ、ルカに新人にはそうやって伝えろと言ってある。だけど本当のこのギルドの存在理由は違うところにある」
漫画とかの言葉を借りれば、うちのギルドは裏ギルド、闇ギルドというに相応しい仕事内容が来る。それも超VIPから。それですら存在理由でないと
そこで一拍置くハルさん
「このギルドを創ったやつはこう定めた」
ドクン、ドクン、と脈打つ胸の鼓動がうるさく感じ、前に魔王リクに言われた『時が来ればわかる』という言葉が思い出され、
「『神々を殺し、神々を生かさず、神々を冒涜するギルド』」
その時が近づいているのだと、
「『そしてそのすべてを背負い、そのすべてを我らのものに』」
ようやくわかった
「ゆえに、『神々の墓場』だと」
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