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あれ、俺良く生きていたな
そう思わずにはいられない程に変態に会ってきた。ま、まぁ異世界だし?個性的な方が多いんだよきっと。地球とは価値観が違うんだきっと
そう思わずにはいられない。きゃんのっとへるぷあいえぬじー
「はぁ……だから俺はこの城に来るのが嫌だったんだ」
「そういえば謁見?だかの時に行くの渋ってましたね」
「あぁ、ここで会いたくない奴がいてちょっとな…」
さっきまで大いに軽食をバクついていたグラスさんが一変、本当に嫌そうな顔になった
グラスさんがここまで嫌がるんだから相手は相当だろう。弄られ役だったらしいし、女の子大好きのテンプレももってる。だからきっと男から求婚されてるとか、そんなんだろう
異世界物だとたまに見る例だなぁとか思いながら、そろそろお腹もいい感じに満たされてきたかな?という頃、メイドさんに頼んで食後の一服をもらおうとした、その時だった
「……!」
ゾクッと、背中に何かが奔った
まるで這いずるウジ虫が滅茶苦茶に身体を蝕むような感覚で、冷や汗が止まらない。殺気とか怒気とかとも違う、まるで獲物を横取りされた肉食獣が横取りした者を排除しようとする感覚
その異変に気付いたのだろう。姉さんとハクが寄ってきた
「どうしたの?ミクちゃん。すごい汗だけど…」
「お姉ちゃん具合でも悪いの?大丈夫?」
「あ、あぁ……大丈夫」
二人に返事をする頃には、先程の意味の分からない何かが消え、背中の感覚もなくなっていた
二人にはお腹がいっぱいになってちょっと苦しかったと紛らわし、チラッとグラスさんを見ると頷かれた
「ミクルも感じたか、あの気持ち悪いものを」
「……えぇ、不本意ながら」
「多分もう少しでその正体もわかる。その時その場にマスターがいることを願え」
「マスターが…?」
なんで、と聞こうとするよりも先にグラスさんが教えてくれた
「奴の唯一の天敵だからさ」
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