転生日記17P【チート・ア・ライブ(二期)】

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ーーーーーーーーーーーー 「あれ?何やってんだこんなところで」 表通りのファストフードや見たことのない食べ物やひとつなぎの大秘宝並みに貴重に見える出店の食料を買い占めつつあったハルとルカとルイ そろそろ表通りも終わりに近づき、出ている店も少なくなってきた頃、テラス風の喫茶店の外席で優雅にお茶を楽しむ人物に出会った 「ふふ、私もお祭り気分を味わいたいと思って」 その場所だけバックに庭園でも見えそうな雰囲気。人間の人ごみに紛れたとてその異質な雰囲気に浮いてしまうほどの存在感を持つマスターだった 「いや別にそれはいいんだが…」 ハルが聞きたいのはそこじゃない、と言いたげに視線を移したのはその相席している人間だった 「……お前らが二人でいるのも珍しいけど、なんでレーヌはそんな幸せそうに気を失ってるんだ?」 金髪をテーブルに投げ出さんばかりの勢いで顔をつけて動かず、しかしその表情からは充足感が、その口からは幸せが漏れていた。というか時折ビクンビクンしていた そんな様子にルカが、また誰かが犠牲になってしまったのでは…、と引き気味に苦笑いした 「残念。私がいるのにレーヌが勝手をできるわけないでしょう?」 クスクスと笑いながら紅茶を啜るマスターに、全員がじゃあ誰が……と疑問符を浮かべる中、マスターは何を言う風でもなくこともなげに言った 「『お祭り気分を味わいたい』って言ったでしょう?ダメね、少しテンションが上がりすぎてしまったわ。ちょっとヤりすぎたかも、ね」 『……………………。』 ーーーーーーーーーーーーーーー 繁華街の喧噪も聞こえない路地裏のさらに奥 不法投棄された鉄くずやごみの数々が巻き散らかった、少し開けた場所の少し手前でロイは息を潜めーーーることなく普通に立っていた。姿を消して 表通りで見た見るからに怪しいボロボロのローブを着た、身長的に子供らしい影を追ってここまでたどり着いた 亜人の中でも人間に見た目が近く身長も高いエルフから、ロイやルイのように身長と年齢が見合わないものまで多種にわたるのが亜人である そのため子供ではないかもしれないが、とりあえず声をかけるかどうかを迷っていたロイだった
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