転生日記18P【ゴッド・チーター】

12/16

5980人が本棚に入れています
本棚に追加
/886ページ
「おお、カームが行ってくれるのか。それにしても珍しいな」 「少し動きたいだけだ」 ハルさんからしても珍しかったのか、少し面を食らった感じだった カームさんはそう一言残すと、寄りかかっていた壁から直立へ 「悪いがこの国では『これ』は脱がせてほしい」 「そうね。存分にこの国の空気を吸いなさい」 さらによくわからない会話をマスターとしたかと思えば、マスターがカームさんの胸に手を当てた その瞬間、カームさんがいつも身に着けていたミストガンスタイルのマントやターバンのようなもの、さらに背中に背負っていた大杖が全て消え失せ、ミクル史上三度目となるカームさんの素顔を拝見 長い焦げ色の茶髪に長身痩躯の、やっぱり美人さんだった 手を握ったり首をゴキッと鳴らしたりしてから数瞬、いきなり俺たちの後ろの窓が開け放たれ風が入り込んできたかと思えば、もう目の前にカームさんはいなかった 対抗戦の予選の時にも見たけど、カームさんのあの速さは異常だと思う。まず追えないし。なんというか、自然を味方につけている的な。そんな感じがした的な 逆にミラ先生は自然は自然でもなんというか……空?空気?みたいな、そんなのを纏っていた感じがしましたまる そしてカームさんのあの格好は実はただのコスプレじゃなかったという疑惑が浮上してきて、すぐにでもあれがなんだったのか聞きたいミクルでした 「ふふ、気になる?でもその前にもう少し話を聞いてほしいの。それが終わったら存分に聞いてちょうだい。ハルに」 「知ってた」 ハルさんの即答に少しの笑いが起こったのも束の間、すぐにマスターが皆に向き直り、これからお話を始めます雰囲気を、教室に着いた担任の先生のように醸し出した 「さ、ロイの捜索班はカーム、それともう一人欲しいわ。そうね……ルカ。行ってくれるかしら」 「はい!勿論です!」 「ふふ、ありがと。ハルも着いて行ってあげてちょうだい。それじゃあ後は各自で自由にこの国で過ごしていいわ。きっと一日ほどですぐに全員集まらなくてはいけなくなるから」 はーい、と各々返事をして解散の流れになったが、そうそう、とマスターが言い忘れたことでもあったのか付け足した 「さっきのは、冗談じゃないわよ?」
/886ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5980人が本棚に入れています
本棚に追加