5980人が本棚に入れています
本棚に追加
/886ページ
ーーーーー
談話室に集まった面々が解散し、ハルもマスターに言われた通りにルカと部屋をあとにしようとしたところで、そのマスターからストップが入った
「なんだよ。俺はルカのお守りだろ?まさかルイちゃんまで面倒を見ろとか言わないよな」
「違うわ。今回の件について少し話したいだけよ」
お守りって私のですか!?とプンスコしているルカにそれとなく先に行ってもらい、上質なテーブルを挟む形で両者が談話する体勢に
「んで、他の奴らを先に解散させて俺だけ残すほどの話ってのは?」
「慌てないで。……紅茶を二つお願いできるかしら」
いつの間にか控えていたメイドに紅茶を頼み、それを見てハルも身構えるのを止め、ソファーに背を預けた
カチャカチャと紅茶を準備する音が響く中、ハルとマスターの視線が交差し、ややあってハルから視線を外した
、、、、
「……ダメだ。やっぱりお前らが何を考えてるのかさっぱりわからん」
、、
「あら、私だって俺が考えていることなんてわからないわよ?」
「ま、そんなことは学生時代からわかりきってることだけどな。突拍子もなくしでかすこと全てが意味の分からないことだったし」
「ふふ、でもそれが楽しかったのでしょう?」
「まぁな。……あ、この紅茶美味い」
出された紅茶を美味しくいただきながら、そうだ、とハルが紅茶を戻す
「お前ああいうこと言うのいい加減やめろよな。ミクルたちなんて目覚めの一発になってたぞ」
「失礼ね。冗談じゃないと最後に言ったはずよ?それに大体の察しはついているのでしょう?」
「………」
そこで押し黙ったハルに、クスクスと笑いながらマスターが続けた
「思ったよりも『時期』が早まってるの。この国に着いた瞬間にわかったはずよ」
「……あぁわかったさ。色々とな」
少し視線を落として紅茶を口に運ぶハル。以前に特攻服を着て魔界へと足を運んだ時と同じような雰囲気に変わる
入国した際の盛大な歓迎、亜人の国にも関わらずエルフしか見ていない、さらに決定的だったのはこの国の王と謁見した時
つまり、もう一人、違和感を抱く人物がいることを二人は知っていた
最初のコメントを投稿しよう!