夢のゴンドラ

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 あ、乾電池、と僕は唐突に思い出した。パソコンのワイヤレスマウスの電池が切れたのだ。 なぜ今急にそれを思い出したのかはまるでわからない。 しかし今はコンビニに行くような心持ではない。 どこか不思議な世界に隔離されたような、それなのに妙に力の抜ける、悪くない時間だった。  窓を開けて寝るのは、なかなかいい。 まずクーラーをつけっぱなしにして寝た場合、寝起きが非常にだるいのだ。 そして、クーラーなしで寝ると、暑さで自然と早起きできる。 つまりアラームを必要としない。これはなにより重要だ。 なぜならば、僕はこの世でアラームが最も嫌いだからだ。 特にきっかけがあったわけではないが、アラームへの怒りと憎しみは十九年という人生の中で身体にしっかりと刻み込まれている。 だから自然に起きられることは僕の人生をかなりよくしてくれるのだ。
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